”経営戦略室”とは
プライムキャストには3つの開発部署があります。
システム開発グループ、
デザインコンテンツグループ、
そして、XRコンテンツの開発を手がける経営戦略室。
“XR“とは、VR(仮想現実)、AR(拡張現実)、MR(複合現実)、SR(代替現実)の総称で、“現実世界にヴァーチャルを重ねる技術“です。
今回は、経営戦略室の室長、最首さんにお話を伺いながら、その取り組みを紹介します。
”経営戦略室”と”XR”
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リメカ
- 経営戦略室はどんな組織なんですか?
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最首
- XRコンテンツの開発に特化したチームです。開発器材や周辺器材の調達はもちろん、企画、制作、演出、2D/3DCGとアニメーションの作成まで行います
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リメカ
- “XR“って最近、特に注目されているように感じます。なぜでしょうか?
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最首
- 2つ理由があると思います
- コロナ禍で人と会うことが難しくなり、“感覚や体験の共有“が難しくなった。
- ハードウェアの技術力が向上してヴァーチャル空間で表現できる幅が広がり、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)のような装置も数万円で手に入るようになった。
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リメカ
- XR分野を扱うようになったのは最近ですか?
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最首
- いえ、もう6年になります。2015年から取り組んでいますね。これまでの経験のおかげで、需要が上がったときにすぐ対応できました

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最首
- VRは自分を遠くへ連れていってくれますし、ARは様々なものを自分の周囲に集めることができます。そういった特性を踏まえて、XRコンテンツの作成ではお客様の要望に沿った提案をしています
パンデミックと技術革新により、さらに身近になった仮想現実の世界。 経営戦略室ではこの1年でいくつものXRコンテンツの開発を行なってきたようです。
XRコンテンツと経営戦略室の“強み”
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リメカ
- 開発している“XRコンテンツ“というのは、具体的にどんなものなんですか?
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最首
- 車や飛行機の運転を訓練、シミュレーションするシステムや、機器操作を学ぶためのトレーニング教材とか。扱っているテーマはさまざまです。海底の鉱床を観察できるシステムも構築したことがありますね
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リメカ
- VRと聞くとゲームが真っ先に思い浮かびましたが、エンタメ以外の分野を扱っているんですね?
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最首
- 教材をテーマにしたシステム構築がメインです。ゲームも機会があれば取り組みたいですよ

レアメタルや海底熱水鉱床の探索が可能で、ニュース番組でも取り上げられました。
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リメカ
- 扱っているテーマが多彩ですね
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最首
- テーマもそうですが、長くやっているだけあって様々なVRデバイスにも関わってきました
- Hololens1, 2
- HTC vive (proeye含む)
- WindowsMR
- OculusQuest, Rift
- Leap Motion
- EXOS Gripper DK1
- ミライセンス
- BeBop
- ZEDmini
- SIMVR
- zSpace
挙げ切れないほど、センサーやデバイスは多種多様なものを試してきました。ご要望に対してどう応えることが最適解か探求する”こだわり”と“経験知”は、経営戦略室の強みです

ハプティクス(触覚技術)の研究もその一環なんだとか。
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リメカ
- “ハプティクス“ってどんな技術なんですか?
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最首
- “仮想空間で物に触れている感触“を再現する技術ですね。仮想空間は、主に視覚と聴覚の再現で構築されているので、そこに“触覚“を加えるわけです
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リメカ
- このグローブでそれが再現されるんですか?
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最首
- そうです。グローブを通じて振動や熱などのフィードバックが皮膚に伝わって、触覚を再現します
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リメカ
- 触覚は仮想空間内のどういった場面で必要とされますか?
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最首
- 機械の操作や組み立てを再現したときには重要になりますね。ネジや釘のような細かい構成品を“持った感覚“、ダイヤルやスイッチ、レバーを“押した感覚“、“回した感覚“などが現場で重要な意味を持つとき、それが仮想空間で触覚を伴って再現されるとリアリティが格段に向上します

嗅覚や味覚が再現される日も来るかもしれませんね。
常に新しいものに触れる
開発に関わるツールや機器に関しても、常にアンテナを張っている経営戦略室。 他にはどんなことを意識しているのでしょうか。
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最首
- あたらしいものは技術もハードも試してみるようにしています
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リメカ
- 短いスパンで新しいものが出てくるイメージがありますね
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最首
- 移り変わりは早いです。ついていくのも大変ですが、新しいものを試すのは単純におもしろい。ハプティクスもそうですが、最近では3Dスキャナーや3Dプリンターも性能のいいものが出てきていて、そういったものをつかった仕事を考えるとワクワクしますね
ハードだけではなく、開発ツールに関してもチーム内での意見交換は活発な様子。
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リメカ
- ツールに関しても知見を共有しているんですね
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最首
- 開発が立て続けにあるので、常により効率的に作業がまわる工夫を模索しています。RedmineやGitの使い方も少しずつアップデートしていますね
経営戦略室の”これから”
今後の経営戦略室について聞いてみました。
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リメカ
- これからもXRコンテンツに集中して取り組んでいくんですか?
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最首
- そうとは限らないです。得意分野ではあるんですが。もともと”最新技術を駆使して問題を解決すること”をテーマにした部署なので、XRコンテンツだけにこだわるということはありません。経営戦略室、というかプライムキャストの良さは”システム開発グループ”、”デザインコンテンツグループ”といった他のチームと連携が取りやすいこと。最近ではAIや機械学習を使った開発も本格化してきているので、そこらへんとも協力しながら、出来ることの幅を増やしていきます
今後の活躍がますます楽しみな経営戦略室。
プライムキャストではそんな経営戦略室でXRコンテンツの開発を担ってくれるUnityエンジニアを募集中です。興味がある方は是非、お問い合わせフォームからお問い合わせください
次回は、「AIを活用したアナログメータ検針アプリ開発のその後」をお送りいたします。