メーターを自動検針「PrimeMeter」ハードウェア開発
投稿日 : 2024.11.13
ハードウェアの制作プロジェクト進行中!
これまで様々なシステムを開発してきたプライムキャスト。
AIや機械学習を利用したアプリケーションも手掛けています。
最近はソフトウェアだけでなくハードウェアも自社で制作するプロジェクトも進行中とのこと。
今回は、AIを活用したシステムの構築を担当していて、前回の記事に24個のガンダムネタを散りばめたプライムキャストのエンジニア、オウサにお話を伺います。
アナログメーター検針システム「PrimeMeter」
※2023年より「PRIME METER EYE」としてサービスご提供を開始しました。
詳細はこちらの記事になります
筆者 : PrimeMeterってどんなシステムなんですか?
オウサ : “アナログメーターの自動検針”です。計器って針が動くだけで、数字は人が見て判断しなければいけません。ぼくが作ったのは“数字を読むAIを搭載したシステム”で、人の負担を減らします
筆者 : ”人がメーターの針を読む必要がない”ということですか
オウサ : その通り。自作したデバイスをアナログメーターに取付けるだけで、あとはシステムが自動で数値をデジタル化してくれます。情報はサーバにアップロードされるので、24時間365日、どこにいても、同時にいくつでも、PCやスマホから数値を確認することができます
筆者 : スマホ?ということはWEBを介しているんですか?
オウサ : はい。システムはクラウド環境に構築しました。アプリケーションはGMOのALTUS、データベースとストレージはAmazonのAWS上に置くことで常時監視を実現しています。WEBアプリケーションなので、お手持ちのスマホでも利用が可能です
筆者 : どこでAIを使っているんですか?
オウサ : 画像の解析です。このシステムでは画像分類と物体検出、セグメンテーションの3つですね
筆者 : 学習も社内で行ったんですか?
オウサ : そうです。Tensorflowを利用しています。ただ、これまで画像解析で使っていたYOLOは今回、使っていません。最近はパフォーマンスと速度の相対比を重要視して、アルゴリズムは適宜切り替えて使うようになりました
AIを搭載したシステムが、”数値の読み取り”から”ブラウジング(情報の閲覧)”まで実現するPrimeMeter。WEBアプリケーションということもあり、開発の範囲は広いはずです。
筆者 : WEBアプリということは、フロントエンド(ブラウザでの表示)からバックエンド(サーバの仕組み)までの開発、しかもAはモデル(コンピュータの学習)の作成が必要ですよね。担当の割り振りはどうしていたんですか?
オウサ : このシステムに関して言えば、全部ひとりでやりました(笑)。元々、一年前に社長の提案で始まった自社開発のサービスなんです。プロジェクトとしては研究開発の一環としてスタートしました
筆者 : 青木さん(前社長)の構想から始まっていたんですね
オウサ : 進め方や目標の設定もぼくに任せてくれたので、マイペースに進めてきましたよ。これまでにたくさんのプロトタイプを作ってきましたね。それが少しずつ洗練されていって、今こうして形になっています
筆者 : 一年でシステムは変わりましたか?
オウサ : もう、何もかも違いますね。”作って壊して”を繰り返してきたので、別物です。アルゴリズムも色々試しました。そうして、少しずつ解決の手法が見えてくる過程が楽しかったです
筆者 : ソフト側の仕組みだけでなく、ハードも開発したんですね
オウサ : 設計から携わって、会社の3Dプリンターで出力しました。長期運用と消費電力を意識した給電の仕組みも自作しましたね
筆者 : 前職では組込み系のシステム開発を担当していたんですよね
オウサ : はい。今、当時の経験がフルで活かせています。WEB側の仕組みも作れるようになったので、ハードウェアを伴ったシステムの開発ができるようになりましたね
PrimeMeterの開発を通じて仕事の幅を広げたオウサ。プロジェクトの今後について聞いてみました。
筆者 : 現行のプロジェクトの様子はいかがですか?
オウサ : 実用化に向けて加速しています。これは本当にありがたいことで、以前の記事を見ていただいた企業の方からデータ協力を得ることができたんです。現場で実際に使われているメーターの情報が手に入ったことで、AIの性能が飛躍的に上がりました。同時に具体的な要望もいただけたので、それに応える形で機能拡張を行っています
筆者 : ニーズがあったということですね!
オウサ : 実際にお問い合わせていただけているので、社会で求められている仕組みでした。我ながら便利なシステムだと思います。またフロントエンドもjQueryからVue.jsに切り替えて、より早く軽量な表示が実現できるように改良しています。楽しいですね
個人開発の「お絵描き道場」
AIからハードまで、なんでもお任せのオウサ。もちろんプライベートでも開発を行っています。先日リリースした「お絵描き道場」のことを聞いてみました。
筆者 : どんなアプリですか?
オウサ : WEB上で動く本格ペイントツール(https://paintmonitor.com/)です。システム構成に関してはこちらのqiita記事に詳細がありますが、個人開発ということもあってツールも環境も自由に選定しています。元々Pythonが好きなのでDjango REST FrameWorkでサーバサイドを実装して、フロントではVue CLIを使ってSPA(Single Page Application)を作りました
いつの間にかゴリゴリのWEBエンジニアと化していた元組込み系のオウサ。お絵描き道場は社内でもお昼休みにみんなで遊んでいます。
筆者 : 驚くほど多機能ですよね(笑)
オウサ : ですねー現在のニーズに沿った”ライブ配信機能”や、作品の筆跡データを解析するAIも仕込んでいて絵の採点もしてくれます。多機能ながらNginxとGunicornを利用した安定動作も実現していますねですね
筆者 : キャンパス(絵を書く場所)をWEBで共有して、複数人で同時に一つの絵が描ける機能は感動しました
オウサ : ゲーム配信機能まで付けちゃいましたからね…
筆者 : JavaScriptの技能も極まってきてるんじゃないですか?
オウサ : 全然、まだまだです。ただ、お絵描き道場の開発を通じてかなり慣れた感はあります。特にCanvasはフル活用したことで知識は付きましたよ!
筆者 : もともと休日や空いてる時間は、常に個人開発していますよね。今回はなぜ”お絵描き”を題材にしたんですか?
オウサ : いつでもどこでも本格的な絵が描けるアプリが欲しい”と思ったのが開発の動機ですね。私自身、趣味で油絵をやっているので、いつかペイントツールは作りたいと思っていました。”ペイントツールとしての完成度”にこだわり過ぎたせいで、3回ほどゼロから作り直しています
筆者 : 完成度以外に、特に意識したことはありますか?
オウサ : 作るなら新しい技術をたくさん使おうと思ってライブラリは選定しています。新しいことに挑戦する新鮮さもあって飽きずに楽しく開発できました。個人開発は、特にニーズを意識する必要がないので自分の理想をそのまま形にできるので楽しいです
もともとデザイナーとしてプライムキャストの門を叩いたオウサ。2年の間にいろいろなことができるようになりました。
筆者 : オウサは通常業務での開発はもちろん、研究開発から個人開発まで、2年で様々なシステムを組みましたよね
オウサ : 本当にいろいろ作りました。形態素解析もやりましたしSharePointOnlineを利用したWEBアプリや車のナンバープレートを読み取るOCRなんかも作りました
筆者 : 弊社、基本的になんでもチャレンジなところありますよね
オウサ : ありますね(笑)
筆者 : 今後はどんなことにチャレンジしていきたいですか?
オウサ : AIとWEB、ハードウェアを掛け合わせた開発を行いつつ、XRに強い経営戦略室と連携して3DCGを活用したコンテンツの作成にも携わってみたいです
入社から2年で幅広いニーズに応えてきた万能タイプのエンジニア、オウサ。
PrimeMeterやお絵描き道場の開発を通じてさらに成長を感じました。
プライムキャストでは多種多様なご要望にお応えすべく、オウサをはじめとした個性豊かな開発者が集っています。
弊社の仲間たちと一緒に働くことに興味がある方、
PrimeMeterのよりくわしい情報が知りたい方は是非、お問い合わせください。
チャオ!!